タグホイヤーのリンクとは何？評価・評判や歴代のタグホイヤーのリンクも解説！

タグホイヤーにはカレラやアクアレーサーなど、クロノグラフをメインとした多くの人気モデルがありますが、ブランドの歴史を語る上で「リンク」は欠かせないアイテムです。

この記事ではタグホイヤー リンクの魅力や評価、また中古相場なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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タグホイヤー リンクのルーツは1987年に遡ります。

当時、スポーツとエレガンスの頭文字をとった「S/le（セル）」が発表され、S時型のブレスレットが話題となりました。

このS/elこそが後のタグホイヤー リンクの原点となります。

通常、腕時計開発にあたっては心臓部となるムーブメント、全体の印象を決定づけるフェイスデザインが出発点となります。

ところがタグホイヤー リンクは「ブレスレットのデザイン」からスタートするという非常にユニークなエピソードをもった腕時計です。

タグホイヤー リンク最大の特徴はS字型のコマからなるブレスレットです。

S字型ブレスレットは人間の背骨から着想を得たもので、ブライトリングなども手掛ける時計デザイナーのエディ・ショッフェルによって設計されました。

当時の感覚ではかなり奇抜なデザインだったと想像されますが、人間工学に基づいた設計であり、フィット感がよく手首に馴染みやすいブレスレットです。

スポーツ&エレガンスを象徴するS/el（セル）は、F1ドライバーである故アイルトン・セナの愛用時計になるなど、著名人の影響もあり瞬く間に人気モデルになりました。

製造中止となった今でも中古市場では人気で、特にクロノグラフは「良品」を見つけるのが難しいモデルでもあります。

1980年代後期は世界的なF1ブームでした。

アイルトン・セナの人気も絶大であったため、「セナの愛用ウォッチ」といえば誰もがS/elを思い浮かべ、タグホイヤーといえば「S字のブレス」となるほど高い知名度でした。

そして1999年、独創的なブレスレットへの称賛・尊敬を込め、名称を「タグホイヤー リンク」として新たなコレクションに加わりました。

レディースモデルもあるタグホイヤー リンクのラインナップは実に豊富で、中でも「WBC2110.BA0603」はシンプルデザインが人気のモデルです。

ペンシル針とバーインデックスはスマートな印象であり、カレンダー機能を備えるなど実用面でも優れた腕時計です。

WBC2110.BA0603はシースルーバックのケース裏からキャリバー5の動きを眺めることもでき、コストパフォーマンスに優れた腕時計としても高く評価されています。

中古市場でも人気の安定したモデルです。

人気ランキングのトップは他のモデルに譲ったものの、タグホイヤー リンクの人気は衰えておらず、ファンの根強さも特徴の一つです。

さっそくオーナーの口コミ情報から評価・評判を調査してみました。

高級ブランドのモデルでありながらリンクは購入しやすい価格帯が評判となっています。

本格的な機械式なので長く使える点もタグホイヤー リンクの魅力です。

クォーツの場合は電子回路の寿命が長くても20年程度であり、一世代のオーナーで終了するケースが殆どですが、機械式であれば親から子へと世代を超えて使うことも可能です。

目を引きつける優れたデザインは、他ブランドにも競り勝つ魅力となっているようです。

タグホイヤー リンクは常に腕時計マニアや業界人に一目置かれる存在であり、既に20年以上の歴史を刻んでいます。

製造中止となったモデルも中古市場での人気は健在であり、いかに優れた腕時計であったかが伺えます。

ではさっそくタグホイヤー リンクの歴代モデルを紹介します。 

第1世代のタグホイヤー リンクはS/elから受け継いだフォルムを基調としつつ、わずかにエッジを効かせたデザインで丸みの取れたブレスレットになっています。

モデルによってはメルセデス針からバトン針へと変更され、12時・6時・9時のインデックスは大き目のアラビア数字で視認性を高めるなど、ルックスも大きく様変わりしました。

S/elは他に例をみないユニークさゆえに買い手を選ぶ時計でもありました。

しかしリンク第1世代となるCT511A.BA0564は、少し角を立たせたブレスレットへ変更し、全体のフォルムや配色に当時のトレンドを反映させるなど、デザイン性の優れたクロノグラフになりました。

商業的にも成功し、今でも中古市場で人気のクロノグラフです。

第2世代のタグホイヤー リンクはより現代的なデザインへ生まれ変わりました。

ブレスレットの形状は第1世代とほぼ同じですが、デザインや機能を絞りこみシンプルな印象へと変化しています。

中古市場の価格も安定しているモデルです。

2000年代のプロダクトデザインは派手さを控える傾向にありました。

国内はバブル崩壊後の氷河期であり、グローバル経済の低迷も要因となってミニマルデザインが台頭しつつあった時代です。

第2世代となるタグホイヤー WJF 2111にもその影響はみられ、よりシンプルでスポーティな印象を強めています。

第3世代のタグホイヤー リンクは無駄を削ぎ落とし、さらにシンプルさが増しています。

既にタグホイヤーは大手企業体となるLVMH（モエ・ヘネシー・ルイヴィトン）傘下となっており、デザインは業界再編の波や世相、時代を反映していますが、オン・オフ両方で無難に使える腕時計となり、より多くのファン獲得に成功しました。

タグホイヤー CAT2110.BA0959は現行モデルとして公式HPに掲載されているクロノグラフですが、現在は一時取り扱い停止となっています。

ストップウォッチやシースルーバックなど機能・デザインともに優れており、中古市場の相場も下がっているため、機械式クロノグラフへの入門や2本目として最適な腕時計です。

第2～第3世代の流れは原点であるS/elのデザインと比較すると、洗練されつつも没個性的な印象もありました。

しかし第4世代ではブレスレットも刷新され、滑らかなフォルムを活かしつつ全体的には硬質感の増したデザインになっています。

状態の良いものが多いため中古品も人気のモデルです。

世界経済もリーマンショックから立ち直りつつあり、腕時計のデザインにも華やかさが戻ってきました。

タグホイヤー リンクも本来のテーマである「スポーツ&エレガンス」を取り戻し、現代のデザインへと繋がって（リンクして）いきます。

最新モデルとなるタグホイヤー CBC2112.BA0603は、ケースやブレスレット、ボタン類の全てにまとまりがあり、一体感あるフォルムが特徴のクロノグラフです。

スポーティなクロノグラフでありつつ、全体的に上品な仕上がりなので、歴代モデルの中では最もフォーマルに合わせやすい腕時計といえます。

装飾などのデザインを楽しむのも腕時計の魅力ですが、最も重要なのは動力部分にあたるムーブメントです。

タグホイヤーのムーブメントは、スイスの公式クロノメーター検定機関であるC.O.S.C.の認定を受けたものが殆どであり、折り紙付きの品質となっています。 

ここではキャリバー5などタグホイヤー リンク搭載のムーブメントを紹介します。

キャリバー5は「3針 + 日付表示」のムーブメントです。

C.O.S.C.の試験をパスした高精度ムーブメントですが、汎用タイプなのでコストダウンできるメリットがあります。

WBC2111.BA0603はホワイトダイヤルでシーンを選ばず着用できるモデルです。

スーパールミノバを塗布したインデックスは夜間でも見やすく、上品な外観とともに実用性も兼ね備えた腕時計です。

WBC2112.BA0603は鮮やかなブルーのダイヤルが目を引くモデルです。

エレガントなフォルムとスポーティなS型ブレスがよく調和し、ワンランク上の質感を楽しめます。

キャリバー16はETA社の「Cal.7750」をベースとした、クロノグラフ用のムーブメントです。

見た目の美しさからシースルーバックなどに映えるムーブメントです。

クロノグラフモデルのCAT2010.BA0952はインダイヤルに特徴があり、使用頻度（確認頻度）の高い9時位置の「分」を大きめにデザインし、積算計の見やすさにも拘ったモデルです。

CJF2110.BA0594も積算計の視認性を高めたモデルです。

プロテクターによるリューズ（竜頭）の保護や100m防水など、堅牢性の高さも魅力となっています。

キャリバー17は3時・6時・9時位置の積算計に対応した「横目クロノグラフ」用のムーブメントです。

人気モデルのカレラにも採用されるなど、精度の高さが評判となっています。

CBC2112.BA0603は横目といわれるクロノグラフであるため、カレンダー（日付）位置が特徴的なモデルです。

バーインデックスやペンシル針によってシャープな印象に仕上がっています。

CBC2110.BA0603はブラックダイヤルにシルバーの針やインデックスが映えるモデルです。

ポリッシュ仕上げのケースやリューズ（竜頭）には高級感が漂い、価格以上の満足感を得られる仕上がりです。

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タグホイヤーは前衛的デザインが得意なブランドとしても知られ、腕時計史に残る名作を生み出してきました。

カレラ、モナコなども個性的であり、現在はスマートウォッチも手掛けていますが、ブレスレットのデザインが出発点となったモデルはタグホイヤー リンク以外になく、ユニークさにおいては唯一無二といえる存在です。

個性的な腕時計は星の数ほどありますが、ブレスレットだけでブランドやモデルを判別できるものは限られます。

S型ブレスはそれほど個性的かつ普遍的であり、S/el発売から30年以上経った今でも歴代モデルの系譜として輝きを放っています。

2021年5月29日調査