ジェラルド・ジェンタとは？人気の腕時計8選から時計の特徴まで徹底解説！

「時計界のピカソ」と呼ばれるジェラルド・ジェンタ氏。

その名を知らずとも、オーデマピゲのロイヤルオーク、パテックフィリップのノーチラス、オメガのコンステレーションと言えば、すぐに思い浮かぶ方も多いはず。

これらのデザインを手がけたのが、ジェラルド・ジェンタ氏です。

ジェラルド・ジェンタ氏の人生と、彼の傑作モデルの数々をご紹介します。

ジェラルド・ジェンタ氏が、いかにして「時計界のピカソ」と言われるまでになったのか、その人生をご紹介します。

1931年、スイスに誕生したチャールズ・ジェラルド・ジェンタは、15歳からジュエラーとしての修業を積み、23歳でデザイナーへ転向します。

フリーの時計デザイナーとして様々なブランドにデザインを提供し、1960年台、オメガのコンステレーションCのデザインにより一躍有名に。

 以後、 オーデマピゲ、パテックフィリップ、IWC、ブルガリ、カルティエなど、そうそうたるブランドで数々の傑作を生みだし、しかもその多くが、故人となった現在まで続く人気モデルとなっています。

特にオーデマピゲ「ロイヤルオーク」の成功により、「雲上ブランドのラグジュアリースポーツウォッチ」というカテゴリは、彼が作ったとも言えるのです。

数々のブランドで名声を得たジェンタ氏は、1972年、自身のブランドを設立。

ブランド「ジェラルド・ジェンタ」は、生産本数が極端に少なく入手困難にもかかわらず、世界中のセレブリティから愛されるブランドとなりました。

また、高級時計で唯一、ディズニーキャラクターの使用を許可されたブランドとしても知られています。

1998年、一度は時計作りから離れていたジェラルド・ジェンタ氏が、自身のセカンドネームで再度ブランドを設立。

こちらのブランドが、これまでのジェンタ氏の仕事の集大成とも言える、「ジェラルド・チャールズ」です。

「時計界のピカソ」と呼ばれ、数多くの名作時計を残したジェラルド・ジェンタ。

彼が手掛けた中でも特に人気のモデルをご紹介します。

オーデマピゲの代名詞ともいえるロイヤルオークは、ジェラルド・ジェンタによって永遠の命を得たといっても過言ではない、ジェラルド・ジェンタの代表作といえるデザインの腕時計になります。 

世界三大時計ブランドのひとつであるパテックフィリップのノーチラスも、ジェラルド・ジェンタの手によるもの。

「海底二万里」に登場する潜水艦、ノーチラス号から着想を得ており、舷窓をイメージしたケースに丸みをおびた8角形のベゼルが特徴。

紳士用、婦人用ともに多くのモデルが展開されています。

オメガの定番でありロングセラーのコンステレーションは、ジェラルド・ジェンタの名が世に知られるきっかけとなったモデル。

Ｃラインと呼ばれる卵型のケースが特徴で、1960年台、70年台はこの形の時計が数多く作られるようになりました。

ドイツ語で「エンジニア」の意味をもち、高耐磁性を追求したIWCのインヂュニア。

1950年台からIWCのアイコン的存在でしたが、1976年、ジェラルド・ジェンタの手によりそのデザインが一新。

当時、高い耐磁性を実現するために大きくなっていた時計のデザインを、ケースの上面とサイドを削ることで大きさを感じさせないデザインとしました。

ジェラルド・ジェンタ氏がデザインした、初代のダ・ヴィンチ Ref.3501。

1970年台の空気を的確にとらえた、シャープでテクニカルな6角形のデザインが特徴的でした。

現在はアンティークとなっています。

ブルガリを代表するウォッチである、「ブルガリブルガリ」。

古代ローマのコインを模した丸いベゼルに刻まれたロゴは、40年以上愛されてきたデザイン。

ジェラルド・ジェンタがデザインした当時は、ダブルロゴではなく「ブルガリ　ローマ」と刻印されていました。

防水時計として有名なカルティエのパシャ。

1985年のリデザインに、ジェラルド・ジェンタが関わりました。

ケースとチェーンでつながったリューズや視認性の高い文字盤が、ほかとは一線を画すデザインです。

メンズラインは生産が終了してしまいましたが、中古市場には多く出回っています。

限定モデルでしかも50周年記念モデルとなればプレミアになるのは必至で、探し回っている人が多数いますので、見つけたら即買いでしょう。

しかしなぜ、ブルガリがジェラルド・ジェンタ氏の記念ウォッチを作ったのでしょうか。

そこには、ブルガリの時計開発の歴史と、ジェラルド・ジェンタ氏との深い関係があります。

ブルガリとジェラルド・ジェンタ氏の関係は、代表的なウォッチであるブルガリブルガリのデザインだけにとどまりません。

ジェラルド・ジェンタ氏が立ち上げたブランド「ジェラルド・ジェンタ」は、2000年に姉妹ブランドとともにブルガリに買収されました。

その後2010年には、独立ブランドからブルガリに統合。

ブルガリとの統合により、ジェンタ氏のブランドは消滅。

ジェンタ氏自身もまた、2011年に逝去されました。

しかしジェンタ氏のデザインと専門知識はブルガリのシリーズの中に継承され、生き続けているのです。 

「ジェラルド ジェンタ アリーナ バイ レトロ 50周年記念モデル」は、ジェラルド・ジェンタ氏のすべての功績と、ブルガリの時計開発への寄与に敬意を表したモデルです。 

そのデザインは、ジェラルド・ジェンタの代表作である「アリーナ バイ レトロ」を現代風にリデザインしたもの。

深いブルーの文字盤には、オリジナルのジェラルド・ジェンタのロゴが。 

滑らかな円を描くベゼルにコロンと丸いアリーナケース、1時間ごとにジャンプして時間を示すディスクと、分と日付を示すレトログラード針。

当時のままの特徴的なデザインが、愛好家を喜ばせました。

1960年台からの時計デザインをけん引したジェラルド・ジェンタ。

魅力的で洗練されたデザインは、今見ても決して古さを感じさせません。

これからも氏のデザインは数々のブランドで受け継がれ、愛され続けることでしょう。

2020年11月27日調査