フィリップ デュフォーとはどんな人?時計のブランドや歴史を徹底解説!
フィリップ デュフォー氏は独立時計師として数々の精巧で複雑な腕時計を生み出してきました。そんな時計界の神ともいえる一流職人はどんな生い立ちを経てその地位を手に入れたのでしょうか?今回はフィリップ デュフォーの経歴や生み出した時計についてまとめました。
目次
フィリップ デュフォー氏の経歴や代表モデルを紹介
フィリップ デュフォー氏は時計業界では知らぬ者はいないといっても過言ではない独立時計師の一人です。
そんな彼はどんな経歴を辿り、その高い技術を手に入れたのでしょうか?
今回はフィリップ デュフォー氏の経歴や生い立ち、代表シリーズについて解説していきます。
フィリップ デュフォーはどんな人?
時計職人としてその技術力の高さに高い強化を得ているフィリップ デュフォー氏とはどのような人物なのでしょうか。
ここでは、彼の誕生から工房設立までの流れをまとめました。
1948年 ル・サンティエで生まれる
1948年、戦後初めてロンドンでオリンピックが開催された年にフィリップ デュフォー氏は誕生しました。
生まれ故郷はスイスのレマン湖地方のジュー渓谷に位置するル・サンティエという地域です。
ジュー渓谷は16世紀の宗教改革によってフランスを追われたユグノー教徒たちが定住し、時計産業を発展させた地域としても有名です。
その後、様々な高級時計ブランドがジュー渓谷から誕生し、今でも20以上の時計工場がジュー渓谷に集まっているのです。
彼が「時計業界で語り継がれる一人」となったのには、出生の地域も大きな影響を与えていたのでしょう。
高校卒業後に時計製造の修行を始める
フィリップ デュフォー氏が本格的に時計職人の道を歩み始めたのは、高校卒業後、1967年の19歳の頃でした。
しばらくは時計製造についての勉強や修行を続けていたフィリップ デュフォーでしたが、やがて「ジャガー・ルクルト」への入社を果たします。
「ジャガー・ルクルト」はル・サンティエに拠点を置く老舗高級時計マニュファクチュールです。
マニュファクチュールとはムーブメントやケースからネジ1本まで自社製造しているブランドを指し、19世紀前半の創業から1,000種類以上のキャリバーを開発したブランドへの入社がフィリップ デュフォーの時計職人としての技術を高めていったのです。
様々な都市で修業を積む
ジャガー・ルクルトで修業を続けていたフィリップ デュフォー氏は慣れ親しんだ環境ではなく新たな世界で技術を磨くことを決意します。
そしてロンドンやフランクフルトなどを訪れ、時計職人としてのスキルを磨き続けました。
その後、スイスに戻ったフィリップ デュフォーは時計師としてジェラルド・ジェンダやオーデマ・ピゲなど一流ブランドからの仕事を請け負うようになります。
1978年 念願だった自身の時計工房設立
フィリップ デュフォー氏は1978年に自身の工房を設立します。
工房や機材を買いそろえたフィリップ デュフォー氏はまず、造りが複雑で取り扱いが難しいアンティーク時計の修理を請け負い始めます。
工房設立からしばらくして、フィリップ デュフォー氏は懐中時計のためのムーブメントを発明しました。
フィリップ デュフォー氏による初のムーブメントは「グラン・ソヌリ」という15分ごとにアラームを鳴らす複雑機構です。
その精巧なムーブメントとフィリップ デュフォー氏の評判、経歴は時計業界で高い名声を得ますが、彼が自身の名前で時計を発表のはなんとそれから14年後のことでした。
フィリップ デュフォー氏が手掛けた時計の特徴
フィリップ デュフォー氏が生み出す時計にはどのような特徴があるのでしょうか。
初めて発表したモデルを例にとって、時計製造にかけたこだわりやフィリップ デュフォー氏の想いを見ていきましょう。
1992年バーゼルワールドで「グラン・プチ・ソネリ」を発表
フィリップ デュフォー氏が初めて自身のブランドで時計を発表したのは1992年に開催されたバーゼルワールドでのことでした。
バーゼルワールドとは年に一度スイスで開催される世界最大の見本市で、時計や宝飾品が出店されます。
その時の出展作品が「グラン・プチ・ソネリ」です。
このモデルは懐中時計のために開発されたムーブメントを腕時計サイズまで縮小したものが使用され、世界で初めてミニッツリピーターを搭載した腕時計として技術部門金賞を受賞しました。
並外れた集中力と絶対的な完成度
フィリップ デュフォー氏はかつて受けたインタビューで「時計職人に求められる完璧主義」について語っています。
シンプルな見た目の時計は精巧で複雑な機械によって動いています。
その部品一つ、ネジ一つ一つを取り扱うには高い集中力と一つのミスも許されない絶対の完成度が求められるのです。
1年近くを製造に要するモデルも
フィリップ デュフォー氏はこだわりを持って時計を全て手作業で造り上げるため、一本が完成するまでには長い時間が必要となります。
ブランドの中でもシンプルな構造のものでも約1ヶ月から1ヶ月半を必要とし、複雑なものはなんと完成までに1年以上要するモデルも存在するのです。
フィリップ デュフォーの人気シリーズ3選
時計業界で名高いフィリップ デュフォー氏はさまざまなシリーズを誕生させていますが、その中から特に人気で希少性が高いシリーズを3つ紹介します。
グラン・プチ・ソネリ・ミニッツリピーター
グラン・プチ・ソネリ・ミニッツリピーターはフィリップ デュフォー氏が初めて作った腕時計であり、ミニッツリピーター機能を搭載した世界初の腕時計でもあります。
ミニッツリピーターとは、ボタン、レバーなどを操作することで現在時刻の鐘の音を鳴らす機能を指しています。
さらに、グラン・プチ・ソネリ・ミニッツリピーターでは15分ごとに自動的に鐘を鳴らす機能も搭載されています。
シンプリシティ
シンプリシティは年間十数本しか製造されないフィリップ デュフォーブランドの人気モデルです。
シンプリシティに搭載されているムーブメントは歯車ひとつ、ネジひとつからすべて手作業で造られ、最終的にはフィリップ デュフォー氏自身の手によって丹念に磨き上げられ完成します。
シンプリシティは長年ネットやオークションで流通せず、マニアにとっては垂涎物のレアアイテムでした。
その後、2016年に初めてネットオークションに出品されたシンプリシティの3モデルは当時の日本円にして2,500〜3,000万円という高額で落札されています。
デュアリティ
デュアリティは1990年代後半に全部で9本のみ造られた希少性が高いモデルです。
デュアリティには二重テンプ式の機構が組み込まれています。
一つの輪列に2つのテンプが使われているこの機構では差動機構をマッチの頭程度まで小さくしなければならず、フィリップ デュフォー氏はそれを「機構について視覚化するのは非常に難しい」と語っています。
オークション流出がほとんどなかったデュアリティですが、近年になってネットオークションに出品されたNo.00はなんと日本円にして1億円近い額で落札されています。
フィリップ デュフォーの時計は技術、デザインともに珠玉
フィリップ デュフォー氏のシンプルながら洗練された腕時計のデザインは、時計そのものを愛し尊重する同氏のこだわりを感じられる仕上がりです。
どれも希少性が高く、限られた本数のみ製造されているモデルばかりなので実際に手に取ることは難しいかもしれませんが、オークションなどでいつか一目見てみたい、手に入れてみたい、と考えるだけで時計への興味がますます高まるのではないでしょうか。
2020/03/16調査
この記事のライター
Rich-Watch編集部
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