セリタSW200と300の精度や価格は？ETAとセリタどちらが良いかも解説！

ETA社がムーブメントの供給停止を発表し、自社開発や代替ムーブメントの採用を余儀なくされたブランドがありました。 

今回は、そのETA社の供給停止を受けて注目度があがっているセリタ社について調査しました。

本記事では、ETA問題やそれぞれのメリット・デメリットなどについても言及していきたいと思います。

まずは、セリタ社で最も代表的ともいえるムーブメント2つを比較してみましょう。

SW300はSW200の上位機とされており、採用されているモデルも高価なものが多いのが特徴です。

セリタ社のムーブメントの中でも、比較的お手頃価格な時計に用いられる自動巻きムーブメントとしてSW200が挙げられます。

こちらのモデルはETA2824と同様、機能性が充実しており、リーズナブルでお手頃価格の時計を多く作っているブランドにとっては必要不可欠とも言えるキャリバーです。

セリタSW200は開発当時よりも格段に性能があがっており、平均日差+2.5秒ほどにおさまっているとの情報があります。

精度は環境によるところもありますが、自動巻きとしては非常に高性能なモデルであるといえます。

およそ20万円台からと、比較的手の届く価格帯のものが多いです。

セリタ社のSW200の上位種にあたるのがSW300で、IWCのマーク17などに採用されています。

シンプルな構造であるがゆえに、時計が動く様子が見えるシースルーバックにはあまり向いていません。

セリタSW300搭載モデルの代表格でもあるIWCのマーク17は、元々精度が高いものを求められて作られています。

精度は平均日差+2秒程度との情報があり、こちらも高い精度があることがわかります。

約50万円以上のものが多いです。

一般的に高級腕時計として分類されるものが多く、手軽に購入できる価格帯ではありません。

セリタは、ETA社の供給停止の発表から注目を集めるようになりました。

次は、その両者の違いや魅力について徹底比較していきます。

時計産業の長い歴史の中で多くのムーブメントを作り続けてきたETA社は、時計業界において重要な役割を担っています。

ブランド側がETA社のムーブメントを使うことで予想される利点や欠点を見てみましょう。

ETA社のムーブメントは精度の高さが高く、長い間培ってきた確固たる信頼があります。

また、同じスウォッチグループ内のブランドと手を組んでムーブメント開発も行っており、技術力の高さにも定評があります。

ETA社のムーブメントは流通量が非常に多く、模倣品も多く出回っています。

中には模倣品であるのにスイス製と書かれているものもあり、悪質な偽物の時計に「ETA」の名前を使われていることも多いです。

セリタは2010年以降、会社独自のムーブメントも発表しており世間から注目を集めています。

セリタに関して、今度はいいところ・悪いところについても見ていきましょう。

ここ最近になってから、セリタ社のムーブメントは、ETA社と同じくらいの精度を有するようになりました。

中にはクロノメーター認定されたモデルもあることから、精度や機能性の高さは十分あると言って良いでしょう。

オリスなどの有名ブランドにも採用されており、今後もさらに増えていく見通しです。

セリタ社の欠点の一つとしては、世間的な知名度が低いという点にあります。

言い換えてしまえば、信頼性がそれほど高くないということです。

流通量も少ないことから、世間的に有名な会社となるのはまだずっと先の話となるでしょう。

しかし、今後成長する可能性は秘めており、すでに一部の時計好きの人からは信頼を獲得できています。

ムーブメントが搭載されているものの中でも、代表的なモデルを4つ見ていきましょう。

IWCなど知名度の高いブランドにも採用されています。

セリタの人気モデル4選を表にしましたので、ご参考にして下さい。

ここからは、ETA社のムーブメント搭載の有名モデルについてご紹介します。

比較的高級時計に分類されるブランドが多いことにも注目してみてください。

チュードルは、ロレックスの弟ブランドとしても知られています。

ロレックスはムーブメントを自社製造していますが、チュードルはロレックスのデザインを楽しめる汎用ムーブメント使用の腕時計です。

サブマリーナはETA2824-2をベースとして作られたムーブメント搭載で、セリタSW200と同等の性能をしています。

ETAの代表種とも言えるのが、クロノグラフの7750機です。

IWCのポルトキーゼクロノグラフは、ETA7750をベースにしたムーブメント搭載で端正なフェイスが人気を集めています。

セリタSW500が代替品となり、パワーリザーブはセリタのほうが4時間長いと機能面でも優秀です。

映画でも起用されたことのあるオメガのシーマスタープロフェッショナルに使われているキャリバーは、2892A2ベースのもの。

2892A2はセリタ300が代用として使われており、精度の安定性が高いことが特徴です。

装飾は少ないため、シースルーバックではないモデルに多く採用されています。

ユニセックスで使えるケースサイズにファッションブランドらしいエレガントなフォント使いが魅力のカルティエのパシャC。

パシャCもオメガのシーマスタープロフェッショナルと同じく、2892A2ムーブメント搭載の腕時計です。

時計業界のムーブメント製造最大手のETA社が2002年に発表した内容が話題になっています。

2020年ETA問題として取り上げるこの事象は一体どんなのものなのか、紐解いてみましょう。

ETA社は、2020年にスウォッチグループ外のブランドへのムーブメント供給を停止すると2002年に発表しました。

スウォッチグループ以外のブランドは、ETA社以外のムーブメントを使うかムーブメント自体を自社製造するしか時計を生産できなくなってしまいます。

なお、資金と技術力のあるブランドは、自社開発をすでに開始しています。

スイスでは半完成品ムーブメント(エボーシュ)を製造することができる企業はETA以外には2社しかありません。

そのうえ、ETA社はスイスの機械式腕時計のエボーシュの大半を作っていたため、スウォッチグループ外のブランドにとって救世主のような存在がセリタだったのです。

現在の時計業界では、ETA社のムーブメントを購入して外側のケースをおしゃれにすれば高額の時計を安価で作り上げることが可能になっています。

時計ブランドが外側の外装をこだわることしかしなくなれば、時計産業はこれ以上発展しないと危惧しているのがETA社なのです。

ETA社の長い間積み上げてきた信用を上回るには、知名度を考えるとまだまだ厳しい状況です。

しかし、セリタのムーブメントはETA社の代用として機能しており、採用しているブランドも増えています。

今後の成長やブランドとの提携に期待ができると言っていいでしょう。

セリタ社のムーブメントはETA社と同じ、もしくはそれ以上に機能してくれることから、今後高級時計にも採用されることが増えていくことが予想されます。

ETA社の2020年問題を経てセリタ社がどのように成長していくのか、今後の展開に注目してみましょう。

2020年10月21日調査