腕時計の分解掃除(オーバーホール)を自分でやる方法を解説!必要工具や注意点も解説!
お気に入りの腕時計を長く愛用したいなら、定期的に分解掃除することが大切です。お店に任せてもいいですが、自分の腕時計を自分で分解掃除するのが理想的ですよね。この記事では自分で時計を分解掃除する方法や、注意点について説明していきます。
目次
腕時計の分解掃除(オーバーホール)を自分でやる方法
腕時計のオーバーホールとは、部品を分解して汚れを取り、注油するメンテナンスのことです。
自分でオーバーホールを行う場合には、腕時計の構造をきちんと理解しておく必要があります。
ここでは誰にでもできる簡単な手順を紹介していきます。
腕時計の分解掃除(オーバーホール)手順
腕時計の分解掃除(オーバーホール)の手順は、分解、洗浄、注油、組み立てとなります。
実際に作業に移る前に、ムーブメントの設計図を入手して腕時計の構造を把握しておくことをおすすめします。
「キャリパーNo、ムーブメント、メーカー名」で検索すればほぼ入手可能です。
①分解
- 腕時計の裏蓋を外し、電池を取り出す(クォーツ式のみ)。
- ネジ固定されているムーブメントをケースから外す。
- ムーブメントを細かく分解していく。
腕時計の分解の手順ですが、まずは裏蓋を外し電池(クォーツ式の場合)を取り出します。
その後、腕時計の竜頭と竜真を外し、ムーブメントをケースに固定しているネジを外してムーブメントを取り出します。
ムーブメントを設計図を見ながら細かく分解していきます。
②洗浄
腕時計の分解が終わったら、部品についた古い油をベンジンを用いて洗浄していきます。
歯車など、油がついている部品は一通り洗浄するようにしましょう。
洗浄が終わったら、腕時計の部品をしっかり乾燥させてください。
③注油
腕時計の部品の洗浄が終わったら、歯車の軸穴に油をさしていきます。
使用する油は市販されている時計油になりますが、部品にかかる負荷(摩擦)の具合によって、油の量を調整する必要があります。
油の量で時計の精度に影響が出るので、構造の知識と繊細な作業が必要になります。
④組み立て
腕時計の組み立てが一番時間と労力がかかる作業になります。
歯車同士がきちんと噛み合っているかを確認しながら部品を組み立てていきます。
都度、歯車を動かし、きちんと腕時計が動くかを確認しながら組み立てるようにしましょう。
腕時計の分解掃除(オーバーホール)に必要な道具
腕時計のオーバーホールには精密機械の分解・組み立て専用の工具が必要になります。
また、洗浄に必要な薬剤や注油に必要な油や道具、無くてもいいけどあったら格段に作業が楽になる道具などもあるので、順に紹介していきます。
分解と組み立てに必要な道具
腕時計の分解には、精密ドライバーやピンセット、ラジオペンチなどの一般的な工具の他に、時計固定器などのメンテナンスする際に使う道具などが必要になります。
一つずつ道具を揃えるのもいいですが(Amazonなどで入手可能です)、修理業者のネットショップでは、メンテナンスに必要な道具セットも販売されていますので、それらを利用するのもおすすめです。
洗浄と注油に必要な道具
腕時計の部品についた古い油を洗浄するのにはベンジンを用います。
油が付着している部品はすべてベンジンで洗浄し、しっかりと乾燥させます。
注油には「時計油」というものが市販されているのでそれを用います。
腕時計メンテナンス用の油差しを用いて、部位ごとの摩擦負荷を考慮しながら油の量を調整していきます。
あったほうが良い工具
必須ではないけれど、あったほうが良い道具について説明していきます。
まずは腕時計の裏蓋を開閉する専用機器は、ラジオペンチなどでも代用できますが蓋を傷つける可能性が高いのであったほうが良いでしょう。
腕時計の部品はとても小さいので、視認性を良くするためのルーペや、ムーブメントの固定具、部品をなくさないためのトレイもあったほうがおすすめです。
腕時計の分解掃除(オーバーホール)を自分で行う際の注意点
腕時計のオーバーホールを自分で行う場合には、事前の準備が肝心です。
腕時計内部の構造をきちんと把握しておくことや、設計図を準備したり、YouTubeなどの動画できちんと手順を学習しておきましょう。
また、必要な道具の準備も忘れずにしてください。
事前に腕時計の構造を把握しておく
腕時計のオーバーホールを始める前に、腕時計の構造をきちんと把握しておきましょう。
「キャリパーNo、メーカー名、Movement」で検索すれば大体のムーブメントの設計図を入手することが可能です。またYouTubeにも分解・組み立ての動画がたくさんあるので参考にしてください。
十分な時間を用意する
腕時計の分解・組み立てには多くの労力と時間がかかることを覚悟しておいてください。
細かい部品をいくつも取り扱うため、長時間集中する必要があります。
十分な時間を用意して、心の余裕を持って臨んでください。
集中できる環境で行う
腕時計の分解・組み立てはとても集中力が必要になる細かい作業です。
事前に道具や必要な資料を揃えておき、余計な用事を途中に挟んだりしないよう、作業に集中できるよう配慮してください。
部品を手で直接触らない
腕時計の部品を直接手で触ると、錆や汚れの原因となり、腕時計の正確さが失われてしまう可能性があります。
作業を行う際はピンセットや、精密作業専用手袋をはめるなどして、直接腕時計の部品を手で触らないよう注意してください。
自力でのオーバーホールは自己責任
腕時計のオーバーホールには時計に関する専門的な知識と、細かい作業をきちんと行える器用さが必要になります。
軸が少しでも曲がったり、歯車が少し手もずれたら腕時計は動かなくなります。
自分で腕時計のオーバーホールを行う場合は、自己責任であるということを忘れないでください。
分解した腕時計の組み立て方がわからなくなった場合
分解した腕時計の組み立て方がわからなくなった場合、まずはムーブメントの設計図を確認するようにしましょう。
それでもわからなければ、YouTubeなどの動画を参考にしてみましょう。
どうしても分からない場合は諦めて腕時計の修理専門店に持ち込むようにしましょう。
設計図をもう一度確認する
腕時計のムーブメントの設計図は「キャリパーNo、メーカー名、movement」で検索すると大体のものが入手できます。
組み立て方がわからなくなった場合は、この設計図を見ながら、自分が今何の部品を組み立てているのかを確認するようにしましょう。
YouTubeなどの動画を参考にする
腕時計の設計図だけでは解決できない場合、YouTubeには腕時計のオーバーホール動画が多数上がっているので、それらも参考にしましょう。
時計店へ持ち込む
設計図を見ても、動画を見ても組み立て方がわからない場合は、無理をせずに諦めて腕時計修理専門店に持ち込みましょう。
分からないまま無理やり腕時計の組み立てを行うと部品の破損などに繋がり、修理に膨大な費用がかかってしまうかもしれません。
【2021最新】腕時計編集部が厳選!腕時計のオーバーホール&修理店比較表
大切な腕時計を長く使うためには、定期的なオーバーホール・修理が欠かせません。
正規店より割安な料金でメンテナンスができる修理店は、技術力と信頼性が高いお店を選ぶことがポイントです。
今回はRichWatch編集部が、腕時計のオーバーホールと修理のおすすめ店をランキング形式で3選ご紹介します。
それぞれの店舗の特徴や評判、オーバーホールの料金など、あなたの腕時計に最適な業者をご提案します。
腕時計のオーバーホール&修理のおすすめ店比較表
メーカーより3万円以上お得【千年堂】
千年堂は累計45000件以上の実績を持つ修理店です。
メーカー出身の時計技師や1級時計技師などのベテランが修理を担当してくれます。
千年堂のオーバーホール料金目安
種類 | 価格 |
---|---|
クォーツ | 26,950円(税込)~ |
自動巻き | 30,800円(税込)~ |
クロノグラフ | 40,700円(税込)~ |
概算費用はオーバーホールと修理代金込みで30,000~40,000円程度ですが、部品代が別途必要になります。
オプションでライトポリッシュと新品仕上げの追加が可能、ケース&ベルトのライトポリッシュはロレックスの場合24,200円(税込)です。
また超音波洗浄、オリジナルクリーニングを無料で行ってくれます。
千年堂の口コミ
安くて驚き
評価:今回、オーバーホールを依頼しましたが価格の安さにびっくりです。新品のようにキレイな状態で返ってきました。
定期的にメンテナンスの依頼をするのであれば、なるべく安価なお店を選びたいものです。
千年堂に関しては、リーズナブルな価格で引き受けてもらえたという口コミが多数挙がっています。
千年堂の基本情報
無料梱包セット | あり |
---|---|
保証 | 1年間(アンティークは半年) |
送料 | 無料 |
修理対応地域 | 日本全国 |
下記リンクにて無料宅配キットを申し込むと梱包用時計ケース・エアーキャップ・梱包材一式が自宅に送られてきます。
国産ブランド・クォーツも大歓迎【リペスタ】
高い技術と良心的な価格が魅力のリペスタは、幅広い腕時計のオーバーホールを受け付けているお店です。
高級舶来ブライドはもちろん、セイコーやシチズンなどの国産ウォッチ、カルティエやブルガリに代表されるクォーツのオーバーホールも積極的に行っています。
気持ちよく腕時計を使ってほしいとの願いから、8,800円相当の「リぺスタ洗浄+防水検査」を無料でサービスするなど顧客満足度の高いサービスが特徴です。
リペスタのオーバーホール料金目安
種類 | 価格目安 |
---|---|
外国産 (ロレックス・オメガ等) | 19,800円(税込)~ |
国産ブランド (セイコー・シチズン等) | 15,400円(税込)~ |
高級クォーツ (カルティエ・ブルガリ等) | 20,900円(税込)~ |
リペスタでは国家資格である一級時計修理技師を取得した職人が、それぞれ得意なメーカーの修理を担当します。
専門分野に特化することでよりレベルの高いオーバーホールが可能となり、見積もり後の修理依頼率91.4%という高い実績につながっています。
リペスタの口コミ
次回も依頼します
評価:今回、ロレックスの時計をリペスタ様に修理して頂きました。見積もりから、完成まで、とても丁寧に対応頂きまして、凄く良い店と感じました。
https://goo.gl/maps/NakDq1J61AVXDRAM9
アフターフォローもばっちりでした!
評価:大事にしていたカメレオンと主人のエアキングの修理をお願いしました。諦めていたカメレオンも見事に復活し、嬉しい限りです!
https://goo.gl/maps/XLJw71unS7v4kih1A
手巻きのカルティエや思い出の腕時計が、見事に復活したという感謝の口コミが目立ちました。
リペスタでは部品さえあれば修理・オーバーホールを受け付けています。
口コミで噂を聞いた方やリピート客が多いのもうなずけます。
リペスタの基本情報
無料梱包セット | あり |
---|---|
保証 | 1年間(アンティークは半年) |
送料 | 無料 |
修理対応地域 | 日本全国 |
無料見積もりと梱包セットは専用申し込みフォームから24時間365日受付中です。
分かりやすさを大切にしているリペスタは、ネット見積もりが初めての方でも迷うことなく利用できます。
もう動かないと諦めている腕時計をお持ちの方は、一度リペスタの無料見積もりを依頼してみてはいかがでしょうか?
ハイレベルな新品仕上げが評判【シエン】
ロレックス、オメガをはじめ高級ブランドの修理を数多く手掛けてきたシエンは、確かな技術を持つ技士が多数在籍する職人集団です。
元ロレックスの技術者やメーカーの修理部門出身者、時計修理歴20年以上のベテランなどのプロフェッショナルが技術責任者を務めています。
シエンのオーバーホール料金目安
種類 | 価格目安 |
---|---|
ロレックス | 25,300円(税込)~ |
オメガ | 17,600円(税込)~ |
フランクミュラー | 17,600円(税込)~ |
パネライ | 25,300円(税込)~ |
新品仕上げにこだわるシエンは、修理とは別の技術者が磨き作業を担当します。
ギリギリのラインを見極め丁寧に施されたポリッシュ仕上げは、腕時計好きをうならせる見事な仕上がりと評判です。
価格も半額以上安くなるため、オーバーホールと一緒に注文するとお得です。
またオーバーホールや修理を専門に扱っているため、平均3週間という短い納期が特徴です。
シエンの口コミ
お客さんの気持ちを理解してくれる素晴らしい修理業さんです
評価:思い入れのある時計だったので、不安を覚えながら依頼しましたが受付の時点から丁寧な対応だったので安心してお任せ出来ました。仕上がりも満足しています。
https://goo.gl/maps/Cv9DrbXruERs8Ewv9
全国でもトップレベルの総合力かと思います。
評価:今回markxvのオーバーホールを依頼。納得のいく事前見積り(無料)と、店舗での接客や電話対応、また価格に大変満足。勿論、仕上がりも!
https://goo.gl/maps/3msbHqtC7guXUSTR8
見積もりや仕上がりはもちろん、接客が素晴らしかったという口コミが多いです。
”お客様にとって腕時計の修理は頻繁に行うものではない”がコンセプトのシエンは、一期一会のお客様への説明を丁寧かつ分かりやすく行っています。
シエンの基本情報
無料梱包セット | あり |
---|---|
保証 | 1年間 |
送料 | 無料(修理代1万円以上) |
修理対応地域 | 日本全国 |
シエンの公式ホームページでは、写真付きで無料配送セットへの梱包方法を説明しています。
1つの梱包セットで同時に2個の腕時計を送付できるため、複数個の時計を査定に出したいときに便利です。
接客に定評のあるシエンは、気持ちよく修理やオーバーホールを依頼したい方におすすめです。
腕時計オーバーホールと一緒に頼みたい!おすすめメンテナンス3選
ここからは、腕時計のオーバーホールと一緒に頼むと便利なおすすめのメンテナンスを3つご紹介します。
①ベルト交換
扱いに慣れていれば自力でできるベルト交換ですが、大切な腕時計に傷をつけるリスクを減らすためにも修理店にお任せするのが賢明でしょう。
ベルト本体の料金の他に工賃がかかり、相場はおよそ1,000円~5,000円です。
高級腕時計の場合、ベルト素材によりますが工賃とベルト本体の料金をあわせて10万円以上かかるケースもあります。
②風防交換
腕時計のガラスにヒビが入っている場合にも修理店に修理・交換をお願いしましょう。
おおよその相場についてはアクリル風防が6,000円~、ミネラルガラスが10,000円~、 サファイヤガラスが15,000円~です。
③新品仕上げ・ポリッシュ
「新品仕上げ」「ポリッシュ」などお店ごとに呼び方が異なりますが、ケースやブレスレットをひとつひとつ分解し、丁寧に磨きあげる作業を指します。
研磨作業によって気になる傷が消え、新品同様の美しさを取り戻すことができるのです。
オーバーホールと一緒に新品仕上げ・ポリッシュを依頼するとセット価格で安くなるお店もあるので、ぜひチェックしてみてください。
腕時計オーバーホール&修理は郵送OKの信頼できるお店に任せよう!
修理店にオーバーホール・修理を依頼する際は、郵送の可否をあらかじめ確認するとよいでしょう。
いつまでも大切に使っていきたい腕時計だからこそ定期的なお手入れが必要になります。
数年に一度は、信頼できる修理店にオーバーホール・修理をお願いするようにしましょう。
時計の分解は細かく集中力を要する作業
腕時計の分解・組み立てについて、文章だけ読むと簡単に感じるかもしれませんが、実際に扱う部品はとても小さく、少し手も曲がったり歪んだりすると壊れてしまう、非常に繊細なものになります。
腕時計の分解・組み立ては集中力を要する作業であるということを念頭に置いて、チャレンジしてみてください。
2020年12月6日調査
この記事のライター
Rich-Watch編集部
Rich-Watch編集部では、男性向けアイテムを中心にアイテム・ファッション情報を発信しております。 「Rich-Watchを読んだおかげで、自分の求めた情報に出会えた」という方を1人でも多く増やすことをミッションとして活動しています。
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