Cal.9015を搭載している腕時計はKnotの他にある?性能やハック機能 選ばれる理由についても調査!
主に海外のブランド腕時計に採用されている実績を多く持つシチズンミヨタ製のオートマティックムーブメントCal.9015。この記事では、Cal.9015が搭載されている主要なブランドから、性能の高さ、多く選ばれている理由について徹底調査しました。
目次
Cal.9015を搭載している腕時計は?性能やハック機能、ライバルについても調査
Knotのオートマティックモデルに搭載されているシチズンのミヨタ製ムーブメントCal.9015。
性能と汎用性の高さから多くのブランドも注目しているキャリバーです。
今回は、Cal.9015についての魅力や搭載している主要ブランド、性能が似ているムーブメントについて解説します。
Cal.9015 ムーブメントとは?特徴や性能も調査
まずは、Cal.9015の概要やスペック、特徴についてご紹介します。
30年という長い年月をかけてシチズンが開発したこのムーブメントの魅力について調査しました。
Cal.9015はミヨタ製の機械式ムーブメント
Cal.9015とは、シチズンが30年ぶりに外販を行っている自動巻き機械式ムーブメントです。
高い精度を持ち、クォーツ式時計の量産技術を活かして作られたCal.9015は、実用的にも性能的にも優れていると世界中で話題を集めています。
Cal.9015の性能
Cal.9015のスペックや性能は以下の表にまとめました。
ETA2892A2の代替品として使われることもあるため、性能やサイズ感が似ています。
サイズ | 25.6mm |
---|---|
厚み | 3.9mm |
精度 | 日差10~+30秒 |
姿勢差 | 40秒以下 |
駆動時間 | 42時間 |
振動数 | 28,000回/時 |
石数 | 24石 |
機能 | ・秒針停止機能 ・デイト表示 |
Cal.9015 ムーブメントの特徴
シチズンミヨタのCal.9015には、対応できるデザイン性の幅広さや薄型である点、ハック機能付きといった特徴が挙げられます。
その特徴について掘り下げて説明します。
①カレンダーのバリエーションが豊富
Cal.9015は、カレンダー表示を3時位置でも6時位置でも設置可能です。
また、カレンダーの背景色と文字色の白と黒を反転させることもできるため、さまざまなデザインに応用することができます。
②安価なクォーツよりトルクが強い
トルクとはぜんまいを巻き上げてほどけるときに伝わる動力のことで、トルクが大きいほど動力が大きいので太い針を動かせるようになります。
Cal.9015の分針のトルクは最大1.25μN・mと、クォーツ式の分針のトルク0.35~0.5μN・mの3倍ほどです。
パワフルな動力なので太い針を搭載でき、視認性をよりアップすることができます。
③厚み3.9mmで薄型
シチズンミヨタのCal.9015は、3.9mmとムーブメントの中では薄型です。
ムーブメントが薄いということはケースも薄型にできるため、よりスタイリッシュな機械式腕時計をデザインすることができます。
さらに、薄いということは軽いことにもつながるので、より手首に負担がかかりにくい時計を作ることも可能です。
④ハック機能がある
ハック機能とは、秒針を停止して時計合わせができる機能をさします。
元々は戦時中の傭兵が同時進行でミッションを遂行する際に秒針まで時刻を合わせる必要があったため搭載されていました。
手持ちの腕時計の精度を調べたい、誤差が含まれる機械式腕時計でもできるだけ正確に使いたいといった人におすすめの機能です。
Cal.9015搭載のブランドはKnot以外にある?主要ブランド紹介
Cal.9015が搭載されている腕時計は、海外ブランドが中心ですが国内ブランドにもあります。
ここでは、Cal.9015が搭載されている主要なブランドや搭載モデルについて解説します。
①Knot (ノット)
KnotのAT-38は、日本製の機械式腕時計の魅力を広めたいというコンセプトから生まれ、ケースや文字盤に至るまでメイドインジャパンにこだわっているブランドです。
ムーブメントは、Cal.9015を加工なしでそのまま搭載しています。
ケースはグランドセイコーと同じメーカーが作っており、ザラツ研磨で仕上がった高級感のある見た目も特徴のひとつです。
色はブラック、ホワイト、シルバー/ブラック、シルバー/ネイビーの4色展開で、どれもシンプルで端正な印象のデザインです。
ビジネスシーンでも使えるオーソドックスな3針時計なので、毎日着用しても飽きずに使うことができます。
②ドイツ DUFA(ドゥッファ)
ドイツで150年もの歴史を誇るドゥッファは、シンプルでミニマルなものやドイツの美術学校バウハウスをイメージして作られた腕時計を展開しているブランド。
汎用性の高いCal.9015を搭載することで、多彩なデザインの腕時計を10万円以下の価格で購入できるのが魅力です。
Cal.9015が搭載されているDF-9011シリーズは、シースルーバックになっているためムーブメントが動く様子が見られます。
シンプルで服装を選ばず、約50gと軽量なので女性にもおすすめです。
また、ドゥッファは自動巻きモデルにCal.9015を採用していますが、クォーツ式モデルでも日本製のムーブメントが搭載されています。
③TISELL DATE BLACK
ロレックスのサブマリーナのオマージュモデルとして発売されているTISELLのブラックデイトは、eBayなど海外のショッピングサイトで購入できます。
見た目が似ているだけでなく、200m防水にセラミック製の逆回転防止ベゼル、サファイヤクリスタル風防などスペックの高さも魅力です。
裏側はシースルーバックで、Cal.9015が動く様子を見ることができます。
インデックスと針には蛍光塗料付きで暗所でも視認性が落ちず、日付表示もあるので実用性の高さも魅力。
TISSELLもCal.9015搭載によって高級感のあるデザインでありながら数万円で購入できる価格に抑えられています。
④ OUTLINE(アウトライン)
アウトラインは、数々の時計情報誌の編集を手掛けてきた菊地吉正さんが立ち上げた時計ブランドです。
アウトラインのコンプレダイバー1960シリーズにCal.9015が搭載されており、1960年代のアンティークウォッチを連想させるデザインに仕上がっています。
アウトラインのコンプレダイバー1960は、シースルーバックの他にも階段状になったベゼルやふっくらとした風防などデザインへのこだわりが満載。
往年の名機のようなクラシック感がありながら5万円以下で買える価格も魅力的です。
⑤Lew & Huey(ルー&ヒューイ)
ルー&ヒューイは、アメリカのフィラデルフィアに本社がある腕時計メーカーです。
ミヨタ以外にも天津シーガルやセイコーといったアジア製のムーブメントを使った自動巻き腕時計を多く生産しています。
ルー&ヒューイのCerberusシリーズにCal.9015が搭載されています。
文字盤のストライプ柄とストレートな針がシャープな印象に見せてくれるため、スーツとの相性は抜群。
2020年3月現在では海外のショッピングサイトでの購入がメインとなります。
Cal.9015が選ばれる3つの理由
Cal.9015がここまで多くのメーカーの腕時計に搭載されているのは、3つの理由が考えられます。
ここでは、Cal.9015が多くのブランドに選ばれている理由について解説します。
①基本機能が備わったシチズン製ムーブメント
Cal.9015は、加工なしで腕時計に搭載しても十分な精度があります。
さらに、構造自体がシンプルで簡潔であるため、パーツの消耗が少なく修理がしやすいといったところも魅力です。
②2010製の比較的新しいムーブメントである
腕時計の進化はムーブメントの進化と直結しており、日々多くのメーカーが新技術を搭載したムーブメントを開発しています。
Cal.9015は2010年に展開されており、新しいムーブメントということはある程度の性能が保証されていると捉えられています。
③厚みが薄く加工しやすい
ムーブメントが薄く設計できれば、デザインの自由度が広がります。
Cal.9015は3.9mmと、世界でも汎用性の高いETA2824-2と比較して0.7mmほど薄いので、それだけケースのデザインがやりやすくなります。
また、ムーブメントが薄いことで腕時計のケース自体の厚みが減ると、軽量かつフィット感がよくなるといったメリットもあります。
Cal.9015と比較されるライバルムーブメントは?
Cal.9015と性能が近似しているムーブメントとしては、セイコーの4L、ETA社の2824-2、SELLITA(セリタ)のSW300が挙げられます。
最後に、これらのムーブメントの特徴についてご紹介します。
セイコー 4L系
セイコーの4L系は、セイコーの自動巻きムーブメントの中で最もコンパクトなサイズが特徴です。
ケースに取り付けるときのネジ穴をETAと同じ位置に調整しており、ETAの代替ムーブメントとしても使うことができます。
サイズ | 26.2mm |
---|---|
厚み | 3.7mm |
精度 | 日差+25秒~-15秒 |
駆動時間 | 42時間 |
振動数 | 8振動/秒(28,800振動/時) |
石数 | 25石 |
機能 | ・秒針停止機能 ・デイト表示 |
ETA 2824-2
ロンジンのレジェンドダイバー、チュードルのサブマリーナなど数多くの腕時計に搭載されているETA2824-2。
アレンジや加工がしやすく、デザインを問わない万能機として知られています。
また、シンプルな構造で修理できる時計技師が多いため、メンテナンスやオーバーホールがやりやすく世界中の時計店で修理ができる点も特徴です。
サイズ | 25.6mm |
---|---|
厚み | 4.6mm |
精度 | 日差±15秒 |
駆動時間 | 38時間 |
振動数 | 8振動/秒(28,800振動/時) |
石数 | 25石 |
機能 | ・両方向巻上げ ・デイト表示 |
セリタ SW300
セリタのSW300は、ETA2892A2を元に作られた代替ムーブメントです。
前身であるSW200の上位機種で、安定して高い精度をキープすることができます。
代表的なモデルではIWCのマーク17に搭載されており、近年ではSW300をアレンジしたムーブメントがウブロでも採用されています。
サイズ | 25.6mm |
---|---|
厚み | 3.6mm |
精度 | 日差±15秒 |
駆動時間 | 38時間 |
振動数 | 8振動/秒(28,800振動/時) |
石数 | 25石 |
機能 | ・デイト表示 |
Cal.9015はシチズン ミヨタ製の汎用ムーブメント
シチズンミヨタのCal.9015は、海外ブランドからの信頼も厚く汎用ムーブメントとして知名度を上げています。
さらに、ETA2020年問題を受けて、今後はCal.9015のようなスイス製ではないムーブメントの需要が増加すると予想されます。
性能も十分なうえにCal.9015搭載の腕時計は数万円程度で購入可能なモデルも多いので、ぜひ手にとって日本製ムーブメントの品質を肌で感じてみましょう。
この記事のライター
Rich-Watch編集部
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