エタポン(時計)とは何?良くない3つの理由を徹底解説!
世界有数のムーブメントメーカー、ETA社のキャリバーを巡って「エタポン」という言葉が広まっています。この記事では、エタポンという言葉の意味や良くないと言われている3つの理由、今後の時計業界やブランドの動向について徹底的に調査しました。
目次
エタポン(時計)とはどんな意味?良くない理由と今後の動向も併せて解説
2020年のETA社ムーブメント供給停止問題を受けて、「エタポン」という言葉が徐々に認知されてきています。
今回は、エタポンの意味や今後の時計ブランドの動向を調査しました。
2020年のETA供給停止問題にも言及していますので、興味のある人はぜひ最後まで一読してみてください。
エタポン(時計)とは?
まずは、エタポンとはなにか、そしてETA社のムーブメントについて解説します。
エタポン=ETA社のムーブメントをポン付け
エタポンとは、ETA社のムーブメントをポン付け(加工やアレンジを一切加えずそのまま搭載)している腕時計のことです。
ETA社のムーブメントは各ブランドに供給され、これから作る腕時計に合わせて機能を付け加えたりとアレンジを加えて搭載するのが一般的です。
ETA社のムーブメントとは?
ムーブメントとは腕時計を動かす機械パーツのことで、ETA社は世界で最もこのムーブメントを生産しているメーカーです。
ETA社のムーブメントはオメガやハミルトン、ロンジンなど数々の有名ブランドに搭載されています。
大量生産により安価なことに加え、確かな精度と修理のしやすさが魅力です。
現在はスウォッチグループに所属
ETA社は、元々はムーブメント製造メーカーが失業しないように各社の協力、連携してできた連合組織で、1985年にひとつの企業として設立されます。
1990年代にはスイス製腕時計の9割以上にものぼる数がETA社のムーブメントを採用しており、今でも時計業界の中でも大きな存在感を示しています。
多くのメーカーがETA社のムーブメントに頼っている中、2020年にはETA社のムーブメントをグループ外のメーカーには供給しないよう決定されました。
現在ETA社はスウォッチグループに在籍しているため、リシュモンやLVMHグループのブランドはETA社のムーブメントを使う以外の方法を模索しています。
エタポン(時計)が良くない3つの理由
エタポンという言葉は、良くない意味で使われることの多い単語です。
ここでは、エタポンがなぜ良くない意味で使われているのか解説します。
①無加工のムーブメントは時計の価格に見合わない
ムーブメントは腕時計にとっても根幹となるパーツです。
多くのブランドが加工をせずにムーブメントをそのまま搭載していると仮定した場合、ブランドバリューや外装の豪華さだけで価格がつり上がってしまいます。
腕時計としての性能は変わらないのに見た目やブランドバリューで価格が大きく変わる、そういったことが起きているのが現状です。
②偽物に同じムーブメント・コピーが使われていることも
腕時計にエタポンするということは、外装だけそれなりのものを作ればそのモデルの偽物が簡単に作れてしまうことになります。
さらに、偽物にはコピー品のムーブメントが使われることがあります。
そういった場合でも世界最大級のムーブメントメーカーであるETAのものは汎用的で作りやすいため、偽物市場がより盛り上がることに繋がるのです。
偽物が簡単に作れてしまうと、ETA社の信頼は落ちてしまいます。
実際にETA社のムーブメントは汎用だからよくない、価値が低いとの声が挙がっているのも事実です。
そういった経緯を経て起きたのが「2020年供給停止問題」なのです。
③自社製ムーブメントのほうが価値が高い
20世紀初頭の腕時計メーカーは、外装やブランドバリューといった面よりもムーブメントの正確さや耐久性を競い合っていました。
当時は各メーカーの製造する腕時計の精度やスペックはばらつきがあり、良い機械が選ばれて信頼を得るのが当然とされてきたのです。
現在では精度の高いムーブメントや耐久性の高い素材で作られているのは当たり前で、見た目のかっこよさやブランドネームで時計を選ぶことも増えてきました。
しかし時計業界はそういった外見よりも、中身の精密さや機械としての複雑さ重視で競い合った歴史のほうが断然長いのです。
そのため、自社でムーブメントを作っている方が信頼に値するとされています。
エタポン(時計)ムーブメントの今後はどうなる?
ETA社のムーブメントを巡る今後の動向には、時計愛好家の注目を集めています。
最後に、今後ETA社のムーブメントを使うブランドや企業はどうなるかについて解説します。
ETA社のムーブメントは高騰 2020年には供給停止?
ETA社のムーブメントは高騰し続けているうえ、2020年より後にはスウォッチグループ以外の企業への供給は停止されます。
スウォッチグループ内のブランドは今まで通りETA社のムーブメントを使用できますが、その他のメーカーはETA社のムーブメントが使われていない腕時計の開発が迫られています。
ムーブメントの今後は?
スウォッチグループではなく、今までETA社のムーブメントを使っていた時計メーカーはどういった方法で腕時計を開発するのでしょうか。
ETA社がムーブメントを供給しないとなると、以下の2つの方法でしか乗り越えることができません。
資本のあるブランドは自社ムーブ開発へ
すでに資本があるメーカーは、自社製のムーブメント製造に乗り出して次々と開発をしています。
代表的なブランドだとロレックスやタグホイヤー、IWCなどが挙げられます。
しかし、ムーブメントを1から開発するというのは莫大な資金と時間がかかるため、相応の資金と優秀な人材、技術力のあるメーカーにしかできません。
ETA社以外のムーブへ乗り換える
もうひとつの方法が、ETA社以外のムーブメントを使うことです。
ムーブメントのメーカーはETA社だけではなく、近年ではセリタも精度の高いムーブメントを製造していると徐々に頭角を表しています。
また、クォーツ腕時計の場合は、日本のシチズンやセイコー製のものを使っているブランドは今も数多くあります。
エタポンは一部の時計メーカーへの皮肉だった!今後の動向に注目
エタポンは必ず悪いということではありませんが、時計業界の成長を阻む存在であるという認識が徐々に広まりつつあります。
エタポンであっても魅力的な腕時計だと思えば購入しても問題はありません。
一概にエタポンがダメと判断せず、まずはコンセプトやブランドが目指すものを知って自分の納得できる理想の腕時計を探してみましょう。
2020/03/09調査
この記事のライター
Rich-Watch編集部
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