鉄道時計とは？歴史や選び方、人気モデル4選も紹介！【2024年最新】

電車の時刻表をご覧になるとわかりますが、とても細かく記入されています。そして本数が多くても少なくても、時間通りに電車は到着します。

当たり前だと感じていますが、日本の電車運行は世界一正確だと各国でも評判です。

電車が時間通りに到着するというのに大切な役割を担っているのが、今回ご紹介する「鉄道時計」です。

鉄道ファンの方はもちろんですが、時計愛好家の方々にも高い人気を誇っています。

鉄道時計の歴史や選び方のポイント、レトロで趣のあるおすすめモデルを4選ご紹介します。

時間を確認するのであれば、別に腕時計でも良いのでは？と思いますが、鉄道時計には鉄道時計ならではの特徴があるため、明治26年より現在に至っても運転士が利用しています。

鉄道時計は運転台に設置されています。

運転しながらいつでも時間を確認しやすいよう、視認性が高くなければ意味をなさないでしょう。

そのため、真っ白の文字盤に大きめの黒いアラビア数字が書かれているのが特徴です。

腕時計よりも大きく、白と黒のコントラストは、パッと見ただけで時間がわかります。

鉄道時計は懐中時計型です。

映画などでよく見かける、紳士が仕立ての良いスーツの胸ポケットから取り出し、蓋を開けて時間を見るというのが懐中時計のイメージでしょう。

しかし、鉄道時計には蓋はありません。

蓋無しの懐中時計をイメージしていただければわかりやすいのですが、鉄道時計は蓋がない分、機能的となっています。

鉄道時計に求められているのは、正確な時間です。

そのため、耐磁性が高く高精度なクォーツ式が採用されています。

近年ではクォーツよりも精度の高い電波時計も普及してきてはいますが、電波時計は少し磁気に弱く、また、電波を受けるのが停止中なため、動いている車内では受信しずらいこともあります。

鉄道時計は正確でなければならない、というのが現在では当たり前となっています。

それは、1891年にアメリカのオハイオ州で鉄道時計が4分遅れていたため、列車が正面衝突を起こし、大事故となったためです。

11名の死者をだした事故は、鉄道時計の規格を定めることになりました。

まず、視認性の高い蓋無しであること、白の文字盤に太いアラビア数字を黒で描くこと、針についても黒く太いものにし、秒単位の調整が可能であり1週間に30秒以内の誤差であること、竜頭(リューズ)は12時の位置、ととても細かいものでした。

現在では規格は変わっていますが、アメリカは鉄道時計の一時代を築いています。

美しく品質の高いアメリカ製は、日本でも当初採用されていましたが、国産のセイコー鉄道時計が発表され日本製を使用することとなっています。

セイコーミュージアムでは、とても貴重なハミルトン社とウォルサム社の鉄道時計を見ることが可能です。

新橋～横浜間で鉄道が開通したのは、1872年でした。

腕時計はとても高価でしたので、携帯されていない職員もいましたが、1893年に、時間を間違えてはいけない職種の方々には、懐中時計を支給したり貸与していました。

1897年に、鉄道作業局がアメリカのブランド、ウォルサムの懐中時計を購入し、これが日本で採用された初めての鉄道時計となりました。

1929年になり現在のセイコーである精工舎の「19セイコー」が、国産初の鉄道時計となり、職員に貸与されました。

手巻き式の懐中時計「19セイコー」は、裏蓋に「番号・鉄道管理局・貸与年」が刻まれていて、職員は出勤時に受け取り退勤時に返却するようなっていました。

鉄道時計は、番号などで、誰が使用しているのかもわかるように管理されていました。

戦争中には飛行機のパイロットなども利用していたセイコーの鉄道時計は、戦後、復刻版も発売されました。

セイコーの鉄道時計は、現在、手巻きからクォーツとなり、高磁場の車内でも利用できるよう、耐磁性・電池寿命の向上と改良され、ほとんどの鉄道が採用しているロングセラーモデルです。

鉄道ファンならずとも、視認性や耐磁性の高さで人気の鉄道時計を選ぶ際のポイントを解説しますので、参考にしてください。

時間が正確であるというのが特徴の鉄道時計を維持するためには、クォーツ式がおすすめです。

電池交換するだけで正確な時を刻んでくれるでしょう。

頻繁に手首で時間を確認するのが憚れるような職業の方にも、クォーツ式の鉄道時計は人気です。

古い歴史がある鉄道時計ですが、その「歴史」に拘る方はブランドで選ぶのがおすすめです。

国産初のセイコーは見やすいアラビア数字で、時刻合わせは上部の竜頭(リューズ)を引いて長針を動かします。

懐中時計タイプではありませんが「国鉄モデル」と言われている、国鉄の職員に配られたシチズンの腕時計も人気です。

シチズンは裏に管理局や製造年が刻印されていて、現在でも鉄道ファンから支持されています。

海外製だとスイスのモンディーンがおすすめです。

スイス国鉄のオフィシャルで現在でも使用されているモデルは、シンプルなデザインで機能性も高く、世界中の鉄道ファンから人気があります。

「本物である」というのに拘るかたは、払い下げを手に入れるのが良いでしょう。

裏に製造年と鉄道が刻印されているモデルは、状態にもよりますが10,000円～販売されています。

オークションサイトなどでは、もう少し安い金額から開始していますが、古いものになるので、しっかりと写真などを確認して落札するようにしてください。

「鉄道時計」と言われているモデルも数多く販売されています。

ここでは、定番の人気モデルを4選ご紹介しますので、興味のある方は参考にしてください。

鉄道時計についてご紹介していますが、鉄道時計は見た目は懐中時計と同じなので、どこが違うのかと思われるでしょう。

鉄道時計は懐中時計の一種です。

ただ鉄道時計は視認性の高さが望まれています。

現在、鉄道時計でもホームなどの駅員さんは電波時計を使用されている場合もありますが、電波時計は密封性が悪く(磁気について)耐磁構造は難しいと言われています。

鉄道時計は「2種強化耐磁時計」が使用されています。

運転席には様々な計器があるため、それらが磁気を発生しても耐える性能が求められているからです。

そのため、鉄道時計は懐中時計と似てはいますが、機能を重視しています。

対して、懐中時計はどちらかといえばファッション性が高いです。

蓋や文字盤に装飾や緻密な細工を施し、デザイン性を重視しているものが懐中時計となります。

鉄道時計の歴史や選び方などをご紹介しました。

現在当たり前のようになっている鉄道の正確さは、アメリカでの悲しい事故があったためです。

鉄道時計は歴史ロマンあふれる時計です。

もし機会があれば、電車に乗ったとき運転席を見てください。

運転台に鉄道時計が収まっているのが見えるでしょう。

2021年7月23日　調査