腕時計のベルトの種類・素材ごとのメリットデメリット!交換や調整方法も!
メンズ・レディース問わず、腕時計はベルトの素材や質感によって見た目やつけ心地が変わってきます。この記事では、素材別に腕時計のベルトの種類や特徴、ぴったりの長さに調整するやり方まで徹底解説。それぞれの種類のメリットやデメリットについても紹介しています。
目次
腕時計のベルト(バンド)にはどんな種類があるの?交換方法は?
ファッションアイテムとしてメンズ・レディース共に人気の腕時計ですが、ベルトも印象を左右する重要な要素です。
そこで、革や金属を中心にメンズ・レディース共通して腕時計に使用されるベルトの種類とその名称などを紹介します。
交換方法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
腕時計のベルト(バンド)の種類
まずは、よく腕時計に採用されているベルトの種類について簡単にご紹介します。
革ベルト
ビジネスシーンにも合う落ち着いた雰囲気の革ベルトは、金属に比べて軽いので腕が疲れにくいことが特徴です。
レザーの種類も多いため、質感に合わせて雰囲気を変えることもできます。
しかし、水に弱く、ケアを怠るとカビが生える可能性があります。
金属ベルト
きらびやかな見た目と高級感を持つ金属ベルトは、コレクションアイテムとしても人気の種類です。
「コマ」と呼ばれるパーツで構成され、少ないと重厚感があり、多いとカジュアルな印象になります。
汚れたら洗浄もできるため、半永久的に使用することが可能です。
ラバーベルト
ウレタン、樹脂といった素材で作られたラバーベルトは、軽く柔らかな質感を持ち、色とりどりの商品が揃っているうえ安価で購入できます。
水や汗にも強く、においが付きにくいのでスポーツに向いていますが、色移りしやすく劣化しやすいのが難点です。
ナイロンベルト
ミリタリー系デザインの腕時計に採用されることが多いナイロン系のベルトは、カジュアルファッションとの相性は抜群です。
しかし、その反面ビジネスやフォーマルシーンにはフィットしません。
NATOベルト(ストラップ)の名称でも呼ばれ、NATO軍で使用された腕時計に採用されていたことに由来します。
【腕時計】革・金属ベルト(バンド)の種類
ここでは、腕時計に使われている革や金属の種類について解説します。
素材によって質感や風合い、特性が違ってくるので、どういったシーンで使いたいのかを考慮して選びましょう。
【腕時計】革ベルト(バンド)の種類
- クロコダイル
- カーフ
- コードバン
- リザード
- ピッグスキン
- バッファロー
- ガルーシャ
- シャーク
- オーストリッチ
- パイソン
- 合成皮革
腕時計に使われているレザーのベルトは、質感や種類もさまざまです。
それぞれのレザーの種類や特徴についてご紹介します。
クロコダイル
アリゲーターレザーはワニの革で、四角形を敷き詰めたような柄が特徴です。
高級腕時計に使われることが多く、独特の艶と発色の美しさが腕時計のエレガントさを引き立てます。
カーフ
生後6ヶ月以内の仔牛の革を使用しており、なめらかな風合いとキメの細かさが特徴のベルトです。
カジュアルなファッションとも合わせやすく、万能に使えます。
雨や水に濡れると劣化しやすいため、こまめに拭いたりクリーナーを使うなどメンテナンスが必要です。
コードバン
馬のおしりの革を使用しているコードバンは、繊維が非常に密で牛革の2倍あるとされる強靭さが魅力です。
磨かれるほどに褐色の光沢が出るうえ、長く使い込むことで独特の風合いを楽しめます。
リザード
小さく丸い鱗が特徴のリザードは、トカゲの革を使用した素材です。
革ベルトの中でも特に艶やかに発色し、色によってシックにもカジュアルにも見せることができます。
ピッグスキン
ブタの皮を使ったピッグスキンは、革ベルトの素材の中で唯一日本国内で飼育から製造まで行われています。
ふっくらとした厚みと柔軟性を持っている革で、高い耐久性が魅力です。
バッファロー
バッファローは水牛のことで、カーフに似た種類で表面にシボ感がありソフトな質感が魅力です。
汗に強く耐水性に優れており、腕にフィットするので快適に着用することができます。
ガルーシャ
ガルーシャは、エイ(スティングレイ)を加工した革の名称です。
表面には、宝石を敷き詰めたような艶やかさと丸い紋様があります。
レザーの中でも非常に硬度が高く、型くずれしにくいため耐久性は抜群です。
シャーク
サメの革を加工したシャークのベルトは、縦に走る紋様が特徴です。
シャープな印象に見えるので、クロノグラフなどスポーティな腕時計と相性抜群です。
水中に生息しているため防水性が高く、使い込むほど徐々に艶が出てきます。
オーストリッチ
女性用のバッグや財布に使われることが多いオーストリッチは、ダチョウの革の名称です。
羽を抜いた後にできる毛穴が盛り上がった丸い紋様が特徴で、柔軟性が高いためしなやかに腕にフィットします。
パイソン
パイソンは、規則正しく並んだダイヤ型の柄と独特なカラーリングの大型ヘビの皮を使ったレザーです。
柔らかくなめらかなつけ心地で軽量なので、女性用腕時計によく用いられています。
合成皮革
合成皮革は、ナイロンやポリエステルなど動物由来ではない素材からできています。
加工しやすく、色やデザイン、種類も豊富で様々なバリエーションを楽しめるのが魅力です。
【腕時計】金属ベルト(バンド)の種類
- ステンレス
- チタン
- 真ちゅう
- 単連タイプ
- 3連タイプ
- 5連タイプ
- 7連タイプ
- 9連タイプ
- ミラネーゼループ
ここからは、重厚感のある金属のベルトの種類や特徴についてご紹介します。
コマの数によって印象も変わってくるので、それらの特徴についても解説しています。
ステンレス
ステンレスは耐食性や加工性に優れた金属で、多くの腕時計に採用されています。
ツヤがあるため高級感があり、ずっしりとした重量感があるところも人気の理由です。
チタン
チタンは、ステンレスのベルトと比べると色のトーンが暗めなのが特徴の金属です。
また、ステンレスと比較して重量も軽く、つけ心地にも優れます。
近年はステンレスを遜色ない見た目に加工されたベルトも多く、金属アレルギーを起こしにくいところも魅力です。
真ちゅう
加工しやすく耐食性のある真ちゅうですが、すぐ変色してしまい、緑や青っぽいサビが出ることが多いといった特徴もあります。
なお、ほとんどの真ちゅうのベルトはメッキが施されていますが、アレルギーが出やすいので肌が弱い人にはおすすめできません。
単連タイプ
オメガのコンステレーションが代表的な単連タイプのベルトは、どっしりとしたインパクトのある印象に見せることができます。
ピンなども外しやすくコマの交換が容易なのも特徴のひとつです。
金属のずっしりとした重量感をダイレクトに感じることができ、男性らしい印象的な手元にしてくれます。
3連タイプ
3連ベルトは横に3列に並ぶコマを縦に組合わせて構成されており、留め具やバックルも含め高い強度が特徴です。
コマ外しも簡単にでき、多くのブランド腕時計に採用されています。
さらに、フォーマルにもカジュアルにも合わせやすく、服装やシーンを選びません。
5連タイプ
ロレックスやオメガ、ブライトリングなど数多くのブランドで採用されている5連ベルトは、3連と比較して腕にフィットしやすいのが特徴です。
エレガントなドレスウォッチ系や、レディースウォッチによく見られます。
7連タイプ
5連よりもさらにコマの数が多く、目が細かい7連タイプは通気性の良さが魅力です。
夏場でも快適に着用でき、季節によってベルトを交換する人も多くいます。
目が細かくなるにつれ、ケースデザインもカジュアルなものやスポーティなルックスのものが増えるのも特徴のひとつです。
9連タイプ
コマ数の多い9連タイプは、主にフランクミュラーのロングアイランドで使われています。
やや湾曲したケースと目の細かい9連ベルトの組み合わせは、腕にフィットしやすくずれにくいのが特徴です。
ミラネーゼタイプ
近年ではスマートウォッチでも多く採用されているミラネーゼタイプは、革ベルトのようなフィット感と高い耐久性が持ち味です。
自由にベルトの長さを変えられるため、他の金属製ベルトと比べて自分好みのベルトのフィット感にすることができます。
【腕時計ベルト(バンド)の種類】革のメリットデメリット
ここでは、革のベルトについてメリットとデメリットをまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・着け心地が良い ・着け続けることで質感の変化がある ・ベルトの調節がしやすい ・金属アレルギーの心配がない | ・汚れや汗、水に弱い ・臭いやカビの心配がある ・お手入れの手間がかかる ・金属ベルトよりも傷みやすい |
革ベルトのメリット
- 着け心地が良い
- 着け続けることで質感の変化がある
- ベルトの調節がしやすい
- 金属アレルギーの心配がない
まずは革ベルトのメリットについて見ていきましょう。
素材によってそれぞれ違いはありますが、動物性であるレザーベルト特有のメリットはほぼ共通です。
着け心地が良い
革製のベルトは動物の皮を加工して作られているため、しなやかで弾力があります。
手首の形状に沿うようにフィットするうえ、軽量なので腕の負担が少ないのも魅力です。
着け続けることで質感の変化がある
革は加工する段階でタンニンなめしを行います。
このタンニンという成分は、紫外線や空気中の酸素によって酸化し、どんどん深い色に変化するという特徴があります。
また、動物の皮膚を使用しているため、手の油分を吸収することもレザーの経年変化を促す要因です。
ベルトの調節がしやすい
革ベルトは数か所穴が空いており、尾錠で留めるスタイルのため、緩めることも締めることも簡単です。
金属製だとベルトを構成するバックルやコマのピンを工具を使って外さないといけませんが、穴位置の変更や長さ調節も容易に行えます。
金属アレルギーの心配がない
金属製のベルトは、アレルギーを引き起こす可能性があります。
革製品は天然由来のため金属に比べるとアレルギーが出ることは少なく、素材の種類も豊富であることもメリットのひとつです。
革ベルトのデメリット
- 汚れや汗・水煮弱い
- 臭いやカビの心配がある
- お手入れの手間がかかる
- 金属ベルトよりも痛みやすい
次に、革製のベルトのデメリットについてもそれぞれ解説します。
汚れや汗・水に弱い
革は細かな繊維があり吸収性に優れますが、水分を吸収することで繊維が固くなります。
繊維が固くなると型崩れを起こしやすく、一度型が崩れると元に戻りません。
特に台風や梅雨、手を洗うときなどは水に濡れやすいので注意しましょう。
臭いやカビの心配がある
革ベルトは動物の皮を加工したものなので、金属より汗や汚れがしみ込んでシミになりやすい傾向があります。
水分や汚れがしみ込むことでカビが繁殖し、細菌が繁殖する可能性もあります。
それらは悪臭の原因にもなり得るので、こまめなケアが必要です。
お手入れの手間がかかる
天然素材の革は金属製のベルトとは違い、汗などの汚れがつきやすく、手入れをしないとすぐに劣化してしまいます。
革はデリケートなので、ゴシゴシこすらずに柔らかいタオルなどでそっとなでるように拭くと劣化を防ぐことが可能。
革専用のクリーナーを使うのもおすすめです。
金属ベルトよりも傷みやすい
革ベルトは、穴を開けて尾錠のピンを通して使用しますが、そこに圧力がかかることで摩耗の原因になります。
傷みやすいため、数年に1度は交換が必要なところも手間がかかる要因です。
革ベルトは消耗品であるということを認識しておきましょう。
【腕時計】革ベルト(バンド)の交換方法
腕時計のベルト交換は、道具とやり方のコツをつかめば簡単に行うことができます。
ここでは、革ベルトの交換方法について解説します。
なお、やり方がわからない場合や部品を失くしたときなどは速やかに時計修理店に相談しましょう。
革ベルトの交換に必要な道具
必要な道具は「バネ棒外し」があれば十分です。
用意するのは両端使えるタイプで、片方が先が二股に別れたY型、もう一方が先の尖ってない種類のものにしましょう。
時計とベルトを連結するバネ棒は力を加えると少し縮むので簡単に外すことができます。
革ベルトの交換手順
- ベルトとケースをつなぐ部分に穴が空いているか確認する
- 穴がある場合は棒型バネ棒外しを挿入し、穴のない場合はベルトとケースの連結部分にY型バネ棒外しを挿入する
- バネ棒外しを軽く押し込んで、バネ棒とベルトの連結を外す
- バネ棒とベルトを外す
- 新しいベルトにバネ棒をセッティングする
- バネ棒をケースにはめ込み、もう片方をバネ棒外しを押し込んで取り付ける
- ベルトを軽く引っ張ってきちんと取り付け完了したか確認する
クリップや先の分かれていない棒型のバネ棒外しは、時計とベルトが接合している部分にある穴がある場合に使います。
Y型バネ棒外しはケースに穴の無い場合に使うため、両端に形状の違うバネ棒外しを持っておくと交換できる時計の種類が広がります。
【腕時計ベルト(バンド)の種類】金属のメリットデメリット
ここでは、金属の腕時計ベルトのメリットとデメリットについて解説します。
メリット | デメリット |
---|---|
・耐久性が高い ・お手入れが簡単 ・どんな服装にも合わせられる ・重厚感のある見た目 | ・肌に合わない場合がある ・傷が付きやすい ・重さが気になる ・使用し続けることで接続部分が痛む |
金属ベルトのメリット
金属製のベルトは金属の特性によって変わりますが、ほとんどの種類がこのメリットに当てはまります。
耐久性が高い
金属バンドは革と比べて傷がついても強度が落ちにくいのが特徴です。
ぶつけたりひっかけたりしても簡単に切れることもなく、引っ張っても伸びにくいため長く愛用できます。
お手入れが簡単
金属製のベルトは、革ベルトと違い水分を吸収しません。
水を弾くのでカビが付く心配がなく、腐食しにくい素材や加工が施されています。
コマやパーツの間に皮脂や汚れがたまることはあるので、こまめに拭き取るなど簡単なお手入れは欠かさないようにしましょう。
どんな服装にも合わせやすい
金属ベルトは無機質で高級感があるため、フォーマルやビジネスシーンで活躍します。
カジュアルスタイルに合わせても金属特有の輝きがかっこいい手元を演出してくれるため、服装を選ばず着用可能です。
汎用性の高いベルトが欲しい場合は、金属がおすすめです。
重厚感のある見た目
金属ベルトには、素材特有の輝きやずっしりとした質感があります。
コマの数によって印象が変わりますが、目の詰まった重厚感があり男性らしい力強さを感じさせるのが魅力です。
金属ベルトのデメリット
それでは、金属ベルトのデメリットについても見ていきましょう。
長く使えるというメリットのある金属ベルトですが、使い心地は人によって異なります。
肌に合わない場合がある
金属ベルトは、体質に合わず金属アレルギーを引き起こすケースもよく報告されています。
チタンやゴールドなどは金属アレルギーを引き起こしにくいため、アレルギーを持っている人は素材にこだわりましょう。
傷がつきやすい
革は柔らかい素材なので衝撃がかかってもある程度吸収されますが、金属バンドは強度が硬いので簡単に傷になるのがデメリットです。
手元はよく動く部位なので腕時計をぶつける可能性も高く、日常的な使用で傷ついてしまう場合は多くあります。
気になる場合は修理店で研磨をしてもらうのがおすすめです。
重さが気になる
金属ベルトを使用した腕時計の魅力の一つである重厚感は、時として「重さ」という負担に感じられることもあります。
重さが気になる場合には、軽量なチタン製バンドを選びましょう。
日中着用するときだけ金属製ベルトの腕時計に付け替えるのもおすすめです。
使用し続けることで接続部分が痛む
金属バンドは、パーツ一枚一枚をピンで止めているため長く使用すると摩擦によってその部分が傷んできます。
留め具やバックルの部分も付けはずしの影響でこすれると劣化しやすく、こまめに修理やメンテナンスを要するポイントです。
【腕時計】金属ベルト(バンド)の交換方法
それでは、金属ベルトの交換方法を見ていきましょう。
道具があれば修理店に持っていかなくても交換が可能です。
Amazonや楽天などネットショップで手に入る道具も紹介しています。
金属ベルトの交換に必要な道具
革ベルトでも紹介したバネ棒外しが必要です。
また、サイズなどを調整するのにバンドホルダーがあれば安定させることができるのでできれば用意しておきましょう。
コマのピンを外す際に使うマイナスドライバーや、ハンマーなども便利です。
金属ベルトの交換手順
- ベルトとケースをつなぐ部分に穴が空いているか確認する
- ケース横に穴がある場合は棒型バネ棒外しを挿入し、穴のない場合はベルト内側にある穴にY型バネ棒外しを挿入する
- バネ棒外しを軽く押し込んで、バネ棒とベルトの連結を外す
- バネ棒とベルトを外す
- 新しいベルトにバネ棒をセッティングする
- バネ棒をケースにはめ込み、もう片方をバネ棒外しを押し込んで取り付ける
- ベルトを軽く引っ張ってきちんと取り付け完了したか確認する
金属ベルトの交換方法は、革ベルトの場合とほとんど同じです。
バネ棒外しでベルトに傷がつかないよう慎重に行いましょう。
また、ベルト交換作業中はバネ棒が飛び出ることがあるので、ゴーグルなど目を守る道具を着用してください。
腕時計の沢山のベルト(バンド)種類からお気に入りを見つけよう!
ベルトに使われる素材の種類やバックルのデザインによって、同じ腕時計でもさまざまな表情に変化します。
TPOやコーディネートにあわせてぴったりなベルトをセレクトして、腕時計をよりおしゃれに見せてみましょう。
2020年11月4日調査
この記事のライター
Rich-Watch編集部
Rich-Watch編集部では、男性向けアイテムを中心にアイテム・ファッション情報を発信しております。 「Rich-Watchを読んだおかげで、自分の求めた情報に出会えた」という方を1人でも多く増やすことをミッションとして活動しています。
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