腕時計ベルト(バンド)を工具で調整する方法は?プロで任せるのもあり?
この記事は腕時計のベルトを調整する方法について記載しています。腕時計のベルトのタイプやコマの詰め方、必要な工具や目安となる料金などをご紹介しています。ベルト調整の初心者の方でも簡単に工具を使ってできる方法もありますので、ぜひ、参考にしてみてください。
目次
腕時計ベルト(バンド)を工具で調整する方法は?
今回は、腕時計のベルトを自分で調整する簡単なやり方を紹介します。
腕時計は毎日身に付けて生活するものだからこそ、自身にぴったりのサイズにしたいものです。
ちょっとだけ調整したいだけなのに業者に依頼するのは手間ですし、好きなときに自分でベルト調整ができたら毎日の生活も快適に過ごせます。
腕時計ベルトのタイプ確認
まず、腕時計のベルトのタイプを確認しましょう。
腕時計のベルトのタイプによって、ベルト調整のやり方や使う工具も違ってきます。
そのため、腕時計のベルトのタイプを確認することは必要不可欠なのです。
スライド式
スライド式は、留め具にロックがあり、外してスライドさせることによってベルトの調整ができる腕時計です。
特別な工具も必要なく、初心者の方でも簡単に調整ができます。
ピン式
ピン式の腕時計は、ピンでコマを繋いでいるのが特徴です。
メタルバンドに多くみられるタイプです。
さらに、丸ピンタイプ、板ピンタイプ、割りピンタイプ、Cリングタイプとピン式の中でも種類があります。
ネジ式
ネジ式の腕時計ベルトには、コマの片側(もしくは両脇)にネジ溝があります。
精密ドライバーでネジを回してコマを外していきます。
高級ブランド腕時計に多い種類のベルトタイプです。
バックルで微調整可能なタイプも
金属ベルトの中留部分は「バックル」と呼ばれており、バックルでベルトの微調整ができるタイプもあります。
バックルを横からみた時に穴が5〜6個程度並んでいるタイプは、バネ棒をずらしてベルトの長さを微調整します。
バックルでベルト調整をする場合、穴2個分がコマ1個分となります。
コマ詰めまではしなくても少しだけ調整した場合や、コマ詰めをした後に、もうちょっと調整したいという時に便利な方法です。
微調整の手順
- バックルのサイドの穴に外側からバネ棒外しを押し込む
- 押し込んだバネ棒を押し下げてバネを外す
- 外したバネを隣の穴にはめ込む
- 同様に逆サイドのバネ棒も移動させて調整完了
上記の手順で、好みのベルトサイズになるまで繰り返します。
バネ棒は外す時に飛び出しやすいので、指で抑えながら外しましょう。
バネ棒は、100均やホームセンターなどで手に入ります。
また、バネ棒がない場合は、つまようじでも代用できます。
スライド式腕時計ベルトを工具で調整する方法
スライド式の腕時計ベルトを工具を使って簡単にベルト調整するやり方を紹介します。
スライド式の腕時計ベルトは、バックルの金具を解除してベルト調整をしていきます。
スライド式腕時計ベルトに使用する工具
スライド式の腕時計ベルトの調整は、マイナスドライバーを使用します。
スライド金具の切り欠き穴に差し込めるように、頭のサイズが小さなものが適しています。
スライド式腕時ベルトの調整手順
スライド式の腕時計ベルトの調整手順です。
- スライド金具のロックを解除する
- 金具にある穴にマイナスドライバーを差し込み、テコのようにレバーを上に持ち上げる
- お好みの位置にスライドしてサイズを調整する
- ロックを解除した時と逆の方向にレバーを下げて調整完了
驚くほど簡単なため、腕時計ベルトを初めて調整する人にもおすすめです。
中留ありスライド式腕時計ベルトの調整手順
スライド式のベルトで三つ折れ式の中留(バックル)のタイプがあります。
三つ折れワンプッシュ式などとも呼ばれています。
こちらは、ドライバーなどを使わず簡単に調整することができます。
- 中留の側面のプッシュを押してカバーを外し、三つ折れになっている部分を持ち上げてロックを外す
- 中留をスライドさせて好きな位置に調整する
- 三つ折れ部分を下げてロックをかけて調整完了
中留をスライドさせて固定するときは、中留側面の穴と正確に合うように、コマとコマの境目が穴の中央から見える位置で調整しましょう。
ピン式腕時計ベルトを工具で調整する方法
ピン式腕時計ベルトを工具を使って調整する方法を紹介します。
ピン式腕時計ベルトに使用する工具
ピン式の腕時計ベルトの調整は、ピンセット、ピン外し、プラハンマー、ラジオペンチ、バンドホルダーを使用します。
ピン式腕時計ベルトのタイプ確認
ピン式の腕時計ベルトの種類には、丸ピン、板ピン、割りピン、Cリングがあります。
調整を始める前に、どのタイプかを確認しましょう。
丸ピンタイプの調整手順
丸ピンタイプのベルト調整手順です。
- ピン外しを穴に当て、ピンを押し出す
- 詰めたいコマの位置まで同じようにピンを抜いてコマを外す
- 残ったコマを繋げる際はピンの通り穴をまっすぐに合わせ、ピンを矢印方向に戻し調整完了
丸ピンタイプは、コマの側面に穴が空いていて、丸く太めのピンで繋いでいるのが特徴です。
裏面(腕側)に矢印の刻印がついているので、目印として使用しましょう。
割りピンタイプの調整手順
割りピンタイプのベルト調整手順です。
- 切り込み線が入っていない方向からピン外しを当てて、ハンマーで叩いて押し出す
- ピンが出てきたら、ラジオペンチで抜き取ってコマを外す
- 詰めたいコマの位置まで同じようにコマを外す
- 残ったコマを繋ぐときは、最初に入れた方向から逆方向にピンを入れる
- 切れ目がある方向から叩いて戻し調整完了
割りピンタイプはピンタイプとほぼ同じですが、使用されているピンがヘアピンのように先が割れています。
そのため、切り込み線をしっかりと確認して行いましょう。
板ピンタイプの調整手順
板ピンタイプのベルト調整手順です。
- バックルを外す
- コマの裏側にある穴にラジオペンチやピン外しを押し当て、板ピンを押し出す
- 板ピンが押し出されたら、ラジオペンチでしっかり挟んで抜き取る
- コマ数を調整して、コマを繋ぐ
- 板ピンを最初に抜いた方向から入れて、ハンマーで叩いて押し込み調整完了
動画では、ラジオペンチやピン外しの代わりに千枚通しを使っています。
最後に板ピンを詰めるときは、バンドホルダーで固定してからハンマーで叩くと安定して作業ができます。
Cリングタイプの調整手順
Cリングタイプのベルト調整手順です。
- バンドホルダーに腕時計ベルトを固定し、ピン外しで刻印の矢印方向にピンを叩いて抜き取る
- 繋ぎ目のところに入っているCリングを抜き取り、コマを外してサイズを調整する
- 繋ぎ目のもとの場所にCリングを戻す
- コマのつなぎ目の穴の位置を揃えてピンを最初に入れた方向から戻して調整完了
Cリングタイプは、コマのつなぎ目にC型のリングが入っています。
小さいパーツなので紛失しないように注意しましょう。
ちなみに、動画では中C式と呼んでいます。
また、Cリングを戻すときは、末広がりになっている穴の大きい穴の方法から入れるようにしましょう。
ネジ式腕時計ベルトを工具で調整する方法
ネジ式腕時計ベルトを工具を使って調整する方法を紹介します。
ネジ式腕時計ベルトに使用する工具
ねじ式腕時計ベルトのサイズ調整には、ピンセット、精密マイナスドライバーを使用します。
マイナスドライバーの先端のサイズは、ネジ山と同じくらいの幅のサイズのものを選びましょう。
ネジ式腕時計ベルトの調整手順
ネジ式腕時計ベルトの調整手順です。
- ネジ山にマイナスドライバーを当て、半時計回しで緩る
- ネジを抜いたらコマを外し、長さを調整する
- ネジをコマに戻して時計回しでネジを締めて調整完了
大変簡単な方法ですが、ネジを回す方向や力の入れ具合に気を付けましょう。
腕時計ベルトを調整するのに必要な工具と費用目安
今回、腕時計ベルトを調整する方法を紹介しましたが、様々な工具が出てきました。
時計修理や調整というと、職人が持っているような本格的な工具が必要なイメージがあります。
しかし、今は、ダイソーやセリアなどの100均でも時計修理セットなどの取り扱いがありますので、比較的に安価に手に入れることができます。
ピン外し
ピンタイプのベルト交換には、ピン外し(バネ棒外し)を使用します。
I型もしくはY型の形状のものがあります。
金額は300円から600円程度で購入できます。
交換用ベルトを購入したさいに、バネ棒外しが付属されている場合もあります。
ピンセット
ピンセットは、コマやピンなどの細かい部品をキャッチするために使用します。
先が尖っているものが便利でおすすめです。
500円程度のものでも十分ですが、1,000円以上する精密作業用のものもあります。
プラハンマー
ハンマーは、腕時計ベルトを叩いたときに部品を傷付けてしまう可能性があるので、プラスチックのものがベターです。
主にピンをコマに叩き入れる際に使用します。
ホビー用などで100円から600円程度で購入できます。
マイナスドライバー
マイナスドライバーは、ネジを回す以外にも、スライド式ベルトのレバーを持ち上げるときや、板ピンタイプのコマを押し出したりするのにも使います。
100円ショップで販売されている精密ドライバーセットの中にあるものでも十分ですが、時計専用のものでも200円程度で購入できます。
ネジを回す際にはネジのサイズに合ったマイナスドライバーを使用しましょう。
精密ドライバー
精密ドライバーは、よく使うサイズのものをセットで用意しておくと便利です。
腕時計の電池交換などでも使用できます。
精密ドライバーの価格は、100円から500円程度です。
ラジオペンチ
ラジオペンチは、主にコマからピンを引き抜くときに使用します。
ラジオペンチの価格は、100円から300円程度です。
バンドホルダー
バンドホルダーは、バンド(ベルト)を固定して作業でするための工具です。
ピンを抜いたり押し込むときに、バンドホルダーで固定するとハンマーで叩く作業がしやすくなります。
バンドホルダーは、100円から500円程度で購入できます。
万力がついているものもあります。
自分で調整するメリットは?プロに任せる方法も!
ここまで、自分でできる腕時計のベルト調整方法を紹介してきましたが、実際プロに任せるときとどう違うのでしょうか。
自分でベルト調整をするメリットとデメリットをまとめました。
自分で腕時計ベルトを調整するメリット
- 職人の工賃がかからず工具代だけのコストで済む
- サイズ調整をこまめにしたい場合は、自身の都合の良いタイミングで作業ができる
- 部品の紛失や納期遅れなどの、修理業者とのトラブルがない
大きなメリットの1つは、コストがかからないことです。
また、自分で修理すれば、都合の良いタイミングで作業ができ快適です。
それに、修理に出したのに、部品の紛失や破損、納期遅れなどの困ったトラブルも起きないため不快な気持ちになりません。
自分で腕時計ベルトを調整するデメリット
- 傷をつけてしまう・失敗する可能性がある
- 手間ががかかる
- 工具を揃える必要があり、場合によっては割高になる
細かい作業が苦手な人にとっては、腕時計に傷が付いてしまったり、失敗して部品を破損させたりしてしまう可能性も高いです。
また、慣れていないと手間もかかるため大きなストレスになることもあります。
さらに、必要な工具を揃える必要もあるため、プロに依頼する料金よりも割高になってしまうこともあります。
デメリットが気になったらプロに依頼
デメリットが多く頭に浮かぶ方は、迷わずプロに依頼しましょう。
プロに調整してもらえば、うっかり時計に傷を付けてしまうこともありません。
特に、高価な時計は特にプロにお任せしたほうが安心です。
また、時計を購入したお店に持っていけば無料で調整してくれる場合もありますので、販売店に確認してみましょう。
腕時計ベルト調整は慎重に丁寧に
時計のベルト交換は、ベルトのタイプによって難易度は変わりますが、やり方を知っていれば初心者でも調整することができるのでおすすめです。
ただ大切な時計を傷つけてしまわないように調整は細心の注意を払いましょう。
正しい工具を使用することも重要になってきます。
2020年11月5日調査
この記事のライター
Rich-Watch編集部
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